2008年11月03日

【コラム1】 まちなか農園ができるまで ~研究時代~ 

「コラム」という形で、農園ができるまでの経緯を、ご紹介しています。

ブック コラム1:まちなか農園ができるまで

Ⅰ 研究時代

全ては、仙台市の外郭団体であった(今はなき)「仙台都市総合研究機構(以下SURF)」で、「杜の都に田園資源を活かす研究」というものが企画されたことから始まりました。

・市民研究員を交えての研究

研究は、公募で集まった市民研究員6人
市の職員のなかから、我こそはと集まった職員研究員3人
そしてSURFの研究員の2人、という計11人で進められました。
  
市民研究員は主婦から定年後の方、学生まで多種多様。私自身も学生時代に市民研究員として関わっていた立場です。田園資源とはなんぞや???ということから始まりましたが、最初はどこに行き着くのか全く検討がつきませんでした。
   
・日本各地の、素敵な農空間

最初の1年は、各地を視察したり、「土とのふれあい」について市民にアンケートを行ったりし、方向性を探りました。
  【コラム1】 まちなか農園ができるまで ~研究時代~ 
視察の様子 (田尻町)


全国の先進的な取り組みやアンケート結果から、「農」の効能を大きく5つにまとめました。
  ● コミュニティ
  ● 環境・生物多様性
  ● 教育
  ● 健康・福祉
  ● 景観・地域


どんな事例があったか紹介すると、
≪高齢者・障害者福祉≫
高齢者のリハビリに農業を活用したり、一人一人の個性を生かした障害者の自立支援のツールとして「農」が利用されていました。

≪循環型環境・生物多様性の保全と創造≫
首都圏では、住宅地の一角の土地で、キウイを使ったヒートアイランド対策、家庭生ゴミの堆肥化、キウイをエコマネーにしたごみ交換リサイクルが行われ、それが地域コミュ二ティをつくる一助ともなっていました。

≪コミュニティの醸生≫
新たに開発された住宅地に棚田が作られ、旧住民と新住民が農を通じて交流していました。
【コラム1】 まちなか農園ができるまで ~研究時代~ 
棚田のある公園(東京都)


私自身がとても素敵だなと思っている、仙台市内「農」空間の事例を一つ紹介します。
【コラム1】 まちなか農園ができるまで ~研究時代~ 

太白区袋原の市民農園、リトルファーム今野家さんでは、畑のみではなく、保育やカフェの機能があったり、ワンコイン(500円)の講習会が行われていたり、障害者を受け入れていたりと農園利用者のものだけじゃない、地域の居場所となっていました。最近ではライブ等も行われたようです。
  
研究の当初バスで市内を巡った際訪れ、とても気になって、学校から自転車で何度か通わせていただいていました。
  
まちなか農園との共通点は、地域に住む人の力や知恵が、その中で活きているという点や、誰でも受け入れてくれる雰囲気があるということだと思います。
  
*河北新報さんを含む東北八新聞社協議会さんの特集「農ハウ」
  リトルファーム今野家さんが紹介されていました。
   http://www.nouhow.com/200808_kahoku.html
  *ちなみに「アーバンスコップ」も紹介されていました。ついでにご紹介。
    http://www.nouhow.com/200709_kahoku.html

・5つの提案
「農」にはどういう効能があるのか把握し、それを仙台市内でどのような形で活かせるか、5箇所で提案を行いました。そのなかには「アーバンスコップ」のある仙台駅東口、「まちなか農園藤坂」のある大手町・花壇の2つも含まれていました。研究1年目はここで終わりになります。

参考文献)仙台都市総合研究機構,2005 SURF研究報告 杜の都に田園資源を活かす研究 -“杜の都の居場所”をつくる「農」空間-,平成18年3月

(Lisa)


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